“位置”が消えた日、社会は止まる――国家戦略PNT最前線、日本で国際会議 6-8 March 2026 (JST)
もし、あなたのスマートフォンから地図が消えたら。物流が止まり、金融取引の時刻がずれ、自動運転が機能不全に陥ったら。現代社会は、目に見えない「位置」と「時刻」によって支えられている。その中核がPNT(Position・Navigation・Timing)だ。いま世界は、この“第3のインフラ”を国家戦略として再定義している。2026年3月、アジア最大級の国際測位会議「MGA Conference 2026」が東京で開催。準天頂衛星「みちびき」を擁する日本が、宇宙・経済・安全保障の交差点で何を語るのか。未来社会の行方を占う議論が始まる。
ある日突然、あなたのスマートフォンの地図アプリが使えなくなったと想像してほしい。
目的地が分からない。タクシーは位置を特定できず、配送は遅延し、ドローンは安全な航路を失う。鉄道の運行管理システムは混乱し、自動運転車は停止を余儀なくされる。
それは単なる「不便」ではない。
社会の機能そのものが揺らぐ事態だ。
私たちは今、静かに、しかし完全に、「位置」に依存して生きている。
位置情報は、目に見えない。
だが、都市の血管のように、社会の隅々にまで張り巡らされている。
物流網、航空管制、港湾管理、鉄道制御、災害対応、精密農業、建設機械制御、スマートシティ、そして金融市場の超高速取引。これらを支えるのが、PNT――Position・Navigation・Timingである。
PNTは単なる測位技術ではない。
それは、正確な「位置」、安全な「移動」、そしてナノ秒単位の「時刻同期」を提供する統合基盤だ。
金融市場では、取引の順序を保証するために精密な時刻同期が不可欠だ。
電力網は、広域の周波数を安定させるために正確な時間情報を必要とする。
通信ネットワークも、基地局間の同期が崩れれば機能不全に陥る。
つまり、PNTが止まることは、社会の心拍が止まることに等しい。
世界はすでにこの現実に気づいている。
米国はGPSの高度化を進め、欧州はGalileoの構築を進め、中国はBeiDouを国家戦略の柱として整備してきた。
それぞれが、宇宙空間における主権と経済安全保障を確保しようとしている。
宇宙は、静かな競争の舞台となっている。
では、日本はどうか。
日本には、準天頂衛星システム「みちびき」がある。
アジア・オセアニア地域に最適化された軌道設計により、都市部や山間部でも安定した測位を実現する。
みちびきはGPSの補完にとどまらない。
将来的には、日本単独で高精度測位を可能にする体制を構築しようとしている。
それは単なる技術進歩ではない。
国家の自立性を支える基盤整備である。
電気が止まれば、都市は暗闇に包まれる。
通信が止まれば、経済は停止する。
そして、位置が止まれば――社会の構造そのものが崩れる。
だからこそ、位置情報は「第3のインフラ」と呼ばれる。
この「見えないインフラ」を巡る国際的議論が、2026年3月、東京・日本橋で行われる。
Multi-GNSS Asia(MGA)Conference 2026。
アジア・オセアニア最大級の国際GNSS会議であり、日本初開催となる。
本会議は、国連の衛星測位委員会(ICG)の正式活動として承認された国際枠組みだ。
JAXA、内閣府を中心に、アジア・オセアニア各国の宇宙機関、政府関係者、研究機関、産業界が連携してきた。
しかし、今回の会議は単なる学術発表の場ではない。
2025年度から、大きな転換が起きた。
「研究中心」から「社会実装中心」へ。
金融、商社、物流、メーカー、IT、防災、エネルギー分野――
実際に位置情報を使い、経済価値を生み出すプレイヤーが主役となる。

テーマは、「位置を価値に」。
宇宙技術はもはや遠い世界の話ではない。
都市の交通渋滞を減らし、災害時の避難を最適化し、農業の収量を向上させ、物流効率を飛躍的に高める。
位置は、価値に変わる。
会議には、宇宙機関幹部、航空・海運専門家、防災担当者、政策決定者、研究者、企業経営層が集う。
普段は政府中枢や国際交渉の場にいる人々が、日本橋に集結する。
その議論は、次世代の国際標準を生み、産業構造を変える可能性を秘める。
そして、この場は未来世代にも開かれている。
宇宙が好きな中高生。
ドローンやゲームに夢中な学生。
国際的な舞台で活躍したい若者。
彼らが「宇宙は仕事になる」「技術は社会を変えられる」と実感できる機会でもある。
開催地の日本橋は、江戸時代から日本の商業の中心地だった。
いま、その地で宇宙と経済を結ぶ議論が交わされる。
歴史と未来が交差する場所で、
国家戦略と技術革新が交わる。
参加費は11,000円。
宇宙・航空分野の主要機関が集う国際会議としては、異例とも言える開かれた価格だ。
それは、この議論を「一部の専門家だけのもの」にしないという意思表示でもある。
位置は、ただの座標ではない。
それは国家の基盤であり、経済のエンジンであり、未来への羅針盤だ。
2026年春、日本橋で交わされる議論は、
日本の宇宙戦略、産業競争力、そして社会の安全性を左右する重要な節目となる。
“位置”が消えた日を想像する前に、
その価値を見つめ直すときが来ている。
■開催概要
MGA Conference 2026
■日程
2026年3月6日(金)〜8日(日)
※関連イベントは3月3日より開催
■会場
東京・日本橋(室町三井ホール&カンファレンス、X-NIHONBASHI 他)
■主な内容
・国際プレゼンテーション
・技術デモンストレーション
・RPDチャレンジ(課題解決型プログラム)
・ネットワーキング
・国際ラウンドテーブル
・運営委員会会議
■公式サイト
https://www.mga-conference.jp/
■参加申し込み
Step 1: Registration
下記の参加申込書よりご登録ください:
第16回アジア多衛星測位システム年次会議 参加申込フォーム:

Step 2: Payment
申込書提出後、参加費のお支払いをPayPalにて完了してください。
お支払いが確認された時点で参加登録が確定します。
参加費は11,000円(税込)です。
本会議は完全対面形式(現地参加のみ)で開催されます。
PayPalお支払いURL:https://www.paypal.com/ncp/payment/Z3QM2FU8RL9BW
