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復元ではなく"推定"で補う。高精度DSPで設計したiPhone向け高音質音楽プレイヤー「Aurescale」をApp Storeでリリース

株式会社Code and DESIGN(本社:東京都目黒区、代表:中島安彦)は、iPhone向けの高音質音楽プレイヤーアプリ「Aurescale」をApp Storeで公開しました。手持ちのMP3・AAC・FLAC・ALAC・WAV・AIFFファイルを再生し、非可逆圧縮で失われた可能性のある高域をスペクトル解析に基づいて推定・補完します。補完はあくまで「推定生成」であることを画面上に明示し、ワンタップで「原音」モードと聴き比べられる設計にしました。10バンドのパラメトリックEQ、再生と同一の処理チェーンによるWAV/AIFF書き出し(最大192kHz/32bit float)を備え、再生・解析・EQ・書き出しはすべて端末内で行い、音源をサーバーへ送信しません。基本無料、買い切りのアプリ内購入で自社広告を非表示にできます。iOS 17以降のiPhoneに対応。


「高音質化」をうたうアプリが、あえて「復元ではない」と明示する理由

音楽配信やストリーミングの普及後も、長年ためてきたMP3やAACのライブラリを聴き続けている人は少なくありません。これらの非可逆圧縮音源は、ファイルサイズを抑えるためにエンコーダが高域を切り落としており、たとえば128kbpsのMP3では16kHz前後から上の成分がほとんど残っていないケースが一般的です。

「高音質化」「アップスケール」を掲げるプレイヤーは以前からありますが、一度失われた情報を後から取り戻すことは原理的にできません。Aurescaleはこの事実から出発し、「元の音を復元する」のではなく、「失われた可能性のある帯域を、残っている音の情報から推定して補う」処理であることを、アプリ内の表示でも、ストアの説明でも明示しています。効果は音源・設定・再生環境によって異なることも、あわせて記載しています。

推定で足した音は、聴き手が自分の耳で判断できるべきだと考え、プレイヤー画面には「高音質化」と「原音」をワンタップで切り替えるスイッチを置きました。原音モードは推定成分を一切加えないリファレンスで、高精度なサンプルレート変換とスペクトラム表示だけを行います。加える量や倍音の種類も自分で調整できます。

高音質のために重視した4つの設計方針

 

1. 足す帯域は「推定」だと明示し、常に原音と比較できるようにする
補完処理を既定にしつつ、切り替えと明示を徹底しました。高域補完の推定量、倍音の種類(整数倍音/非整数倍音)はスライダーで調整でき、加算はカットオフ周波数より上の帯域に限定されます。もとから全帯域が残っているロスレス音源では、補完を自動的にオフにします。

 

2. 演算精度と時間精度で妥協しない
音声処理はFloat64(倍精度)で行います。サンプルレート変換にはKaiser窓ポリフェーズsincフィルタ(基準128タップ・256位相、ダウンサンプル時はレート比に応じてタップ数を増加)を採用し、再生機器の実際の出力レートに追従します。高域の解析と生成は1024点STFT・hop 256(48kHzで窓約21ms、更新約5.3ms)で行い、過渡音への追従性を確保しました。エンコーダのカットオフ周波数は、信頼できるフレームだけを対象に直近約4秒の統計から推定し、静かなパートやフェードで揺れないようにしています。コーデック(MP3/AAC/ロスレス)ごとにしきい値プロファイルを切り替えます。

 

3. リアルタイム処理の安定性を構造で担保する
デコード、DSPワーカー、リングバッファ、リアルタイム出力の4系統を分離し、出力コールバックではロック・メモリ確保・I/O・重い処理を一切行いません。バッファ受け渡しはC11 atomicによるロックフリー実装です。端末が高温になった場合は補完と解析を自動でバイパスし、SRCのタップ数を落として再生を途切れさせない設計にしました。

 

4. 聴いている音と、残す音を同じにする
WAV/AIFF書き出しは、再生と同じ処理チェーンをオフラインで通します。再生中に調整したEQと高域補完の設定が、そのまま書き出しに反映されます。リアルタイム制約がないため、書き出し時は常にフル品質で処理します。整数出力ではTPDFディザを適用し、ピーク保護は再生時と同じ条件で動作します。

 

主な機能

対応形式:MP3、AAC(m4a)、ALAC、FLAC、WAV、AIFF。コーデックは拡張子ではなく音声ストリームの形式IDで判別

高域の推定補完:カットオフ自動検出、推定量・倍音の調整、「原音」モードとのワンタップ比較

10バンド高精度パラメトリックEQ:各バンドの中心周波数20Hz〜20kHz、ゲイン±12dB、Q 0.3〜8を調整。実際のフィルタ応答を合成した周波数特性グラフ、プリアンプ、バンドの重なりを考慮した自動ヘッドルーム、プリセットとマイ設定の保存。再生を止めずに滑らかに反映

高音質化ファイルの書き出し:WAV(16bit/24bit/32bit float)、AIFF(16bit/24bit)。サンプルレートは自動/44.1/48/88.2/96/176.4/192kHz。ファイルアプリに保存し、共有シートで他アプリへ渡せます。モノラル音源はモノラルのまま出力

ライブラリとプレイリスト:ファイル選択やFinderのファイル共有から追加、プレイリストの作成・並べ替え・シャッフル、バックグラウンド再生、ロック画面操作

端末内処理:再生・解析・EQ・書き出しは端末内で完結。音源をサーバーへアップロードせず、アプリ独自のアカウント登録も不要

広告:自社アプリの広告のみを表示し、外部広告ネットワークは使用しません。買い切りのアプリ内購入で非表示にできます

 

高域補完の仕組み(技術解説)

再生チェーンは「デコード → 高精度サンプルレート変換 → スペクトル補完+倍音生成 → EQ → ピーク保護 → 出力」の順です。補完処理はサンプルレート変換の後段で動作するため、生成帯域を再生側のナイキスト周波数まで広げられます。

補完は残差再構成(y = x + m·r)として実装しています。検出したカットオフ周波数の直下1オクターブをスペクトル上で平行移動してコピーし、測定したスペクトル傾斜に安全側のチルトを加えて包絡を外挿、信頼度マスクでブレンドします。倍音生成は、非線形波形整形による整数倍音(2f・3f、位相同期)と、リングモジュレーションによる非整数倍音から選択できます。ステレオリンクしたピーク保護により、補完やEQブースト時のクリップを防ぎます。

これらは決定論的なヒューリスティック処理であり、機械学習モデルは搭載していません。処理内容は数値テストで検証していますが、聴取上の効果を保証するものではないことを、ストア説明にも明記しています。

開発者コメント

「"高音質化"という言葉は便利ですが、圧縮で消えた情報が戻るかのような期待を生みやすい言葉でもあります。Aurescaleでは、足しているのは推定した成分だと正直に伝えたうえで、その推定をできる限り丁寧に行い、いつでも原音と比べられるようにしました。倍精度演算やロックフリーのリアルタイム設計など、聴感に直結する土台の部分に手間をかけています。整えた音をそのままWAVに残せるので、"聴くだけ"では終わらない使い方もしていただけます」(株式会社Code and DESIGN 開発担当)

今後の展開

聴取試験と客観指標を組み合わせた補完品質の評価、Core MLによるニューラル帯域拡張の研究・比較(採用時も生成処理として明示)、ギャップレス再生などを検討しています。

提供概要

項目 内容
アプリ名 Aurescale
対応環境 iPhone/iOS 17以降
価格 無料
カテゴリ ミュージック
対応形式 MP3、AAC(m4a)、ALAC、FLAC、WAV、AIFF
書き出し形式 WAV(16/24bit、32bit float)、AIFF(16/24bit)、最大192kHz
App Store https://apps.apple.com/jp/app/id6806432598
サポート https://utaverse.tokyo/aurescale-contact.html
プライバシーポリシー https://utaverse.tokyo/aurescale-privacy.html

※ Aurescaleはお手持ちの音楽ファイルを再生するアプリであり、音楽のダウンロードやストリーミングサービスではありません。
※ 高域補完は新しい成分を推定生成する機能で、圧縮で失われた元の情報を復元するものではありません。高いサンプルレート・ビット深度を選ぶだけで、音源にない情報が復元されるわけではありません。

 

項目 内容
会社名 株式会社Code and DESIGN
所在地 東京都目黒区中目黒
代表者 中島安彦
事業内容 iOSアプリの企画・開発
Webサイト https://code-and-design.jp


2026/09/17 10:00